可愛いキャラから、キモカワキャラまで全国の鉄道キャラを紹介
最古参とも言える「ほのぼのぐんまちゃん」に始まり、「ひこにゃん」、そして、「くまもん」と、近年のご当地ブームをけん引してきたゆるキャラたち。かつては、旅行好き、地図好きの人々たちの、ちょっとマニアックな趣味に分類されていましたが、2010年に始まるゆるキャラグランプリをきっかけとして、全国区で知れ渡るようになりました。
その後、各地で雨後の竹の子の如く増え続け、まさに日本の「うつくしきもの」を愛でる伝統的文化を反映するような、この可愛らしいキャラクターたちは、今や全国津々浦々に存在しており、その数は1000を超えるとまで言われています。このブームに乗ろうと、地方自治体だけでなく、企業もゆるキャラを世に送り出しています。鉄道会社もその例にもれず、近年全国で鉄道会社公式のゆるキャラが登場しています。中にはローカル鉄道を全国区に知らしめるほどの強者も。鉄道好きの筆者が、独断と偏見でランキング順に紹介します。
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何故、鉄道会社にゆるキャラ?
鉄道会社にマスコットキャラクターが登場し出したのも、全国的なゆるキャラブームと同じく、90年代後半から、2000年に入ってからのことです。鉄道会社はその社会的役割から、真面目一辺倒というイメージが強く、ゆるキャラとは無縁の存在のように感じられるかもしれませんが、少子高齢化の流れで、地方線区を中心に利用者が減少しています。そこで、より利用者に親しんでもらうため、このようなキャラクターが設定されだしているのです。
私が知る限り、90年代後半に登場したキャラクターとしては、横浜市交通局の「はまりん」と東京都交通局の「みんくる」(ただし、これは地下鉄ではなく、バスのキャラクター)と言ったものが先駆け的存在でしょうか。
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「はまりん」と「みんくる」
財政的に厳しい公営事業者が利用者にアピールするために設定したとも言えます。その後も、地方の私鉄や第三セクター路線にも、次々キャラクターが登場し、例えば2002年にJRから切り離された第三セクターの青い森鉄道には、開業当初から「モーリー」というキャラクターが設定されています。
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「モーリー」
面白いのは秩父鉄道の「パレオ君」で、その名前の由来は秩父地域に存在したとされる恐竜、パレオパラドキシアから付けられているわけですが、登場は1988年とかなり古株のキャラクターです。
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「パレオ君」
しかし、当初のキャラクターはより恐竜感が強く、また二次元的キャラクターでしたが、2001年にリニューアルされ、より「ゆるい」デザインに変更され、あわせて着ぐるみも登場しています。近年の各社のキャラクターは、着ぐるみの存在も大きなポイントであり、イベントなどに登場し、小さな子どもたちからも人気を集めています。各社でゆるキャラが登場する背景には、子どものファンを増やすことで、将来的な利用者減少を食い止めると言う、各社切実な裏事情があるのです。
鉄道ゆるきゃらのおすすめ人気ランキング10選
【第1位】ことちゃん 高松琴平電鉄
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ことちゃん
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ことちゃん
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第1位は、『ことちゃん 高松琴平電鉄』です。香川県を走る地方私鉄、ことでんのキャラクター。ことでんの公式駅員。ことでんを知らなくとも、「ことちゃん」だけは知っているという人は多いはず。鉄道マニアの間でもその人気は全国ナンバーワンと言っても差し支えないほどの人気のキャラクターです。2013年にはご当地キャラ総選挙にて3位に入るなど、実力派。
2002年に大人の事情で誕生したというこのキャラクターですが、人気の秘訣は、その誕生秘話を含めたキャラ設定でしょう。一見、可愛らしい風貌ですが、単刀直入とも言えるぶっきら棒なもの言いを公式ツイッターで垣間見ることが出来ます。ペンギンではありませんイルカですに思わずニヤリ。もちろん、この公式ツイッターは中の人ではなく、ことちゃんが呟いているという徹底ぶり。休日を中心に駅や車内で会えることもありますので、四国に行くことがあれば、ことでんにも乗ってみて下さいね。LINEスタンプも公表発売中です。
【第2位】スーパー駅長たま 和歌山電鐵
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スーパー駅長たま
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スーパー駅長たま
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第2位は、『スーパー駅長たま 和歌山電鐵』です。ひなびたローカル線が世界から注目されるきっかけになった駅長猫「たま」。和歌山電鐵は廃止が決定した南海貴志川線を引き継いだ会社です。「たま」は貴志川線の終点、貴志駅の売店で買われていましたが、2003年、和歌山電鐵への経営移管に伴い、猫小屋があったスペースは市の保有となり、立ち退きの危機に瀕しました。
しかし、和歌山電鐵社長の発案で、「招き猫」になって欲しいとの願いを込めて、たまは駅長に任命されたのです。年俸はキャットフード1年分。この奇想天外なアイディアは全国のみならず、世界から注目を集め、各地のローカル線でも、人気に授かろうと動物駅長が誕生することになりました。おそよ11億円と言う経済効果を生み出し、和歌山県からは「和歌山県勲功爵(わかやま で ナイト)」「和歌山県観光招き大明神」などの称号を与えられています。
「たま」は残念ながら2015年に亡くなりましたが、神式で葬儀を行ったため、天国に行くことはなく、駅に設置された「たま神社」に祀られた神様(兼・名誉永久駅長 / 県観光招き大明神)として、利用者を見守り続けているとされています。現在は、マスコット化された「スーパー駅長たま」としてその姿を見ることが出来ます。和歌山電鐵の電車1編成は、このキャラクターのラッピングデザインとなっています。
【第3位】そうにゃん 相模鉄道
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そうにゃん
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そうにゃん
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第3位は、『そうにゃん 相模鉄道』です。大手私鉄の一員ながら東京に乗り入れない、路線距離が短いなどと、かつては非常に地味な存在だった相鉄。しかしその分、相鉄独特の営業政策にはコアなファンが多く存在したのも事実ですが、2014年に待望の公式キャラクターが誕生しました。相鉄のイメージにまさにピッタリとも言える、たぬきにも似たユルい猫のキャラクターは一気に人気者に。誕生後、毎年ゆるキャラグランプリにエントリーしていましたが、2017年には待望の14位入賞。同時に神奈川県部門第1位、鉄道部門4年連続第1位という成績を残しました。
地味な相鉄の知名度が全国区に広まりました。現在、グッズのみならず絵本まで発売されるほどの人気ぶりにそうにゃん。相鉄線では1編成をそうにゃんトレインとして運行していますが、特にそうにゃん型のつり革は必見です。また、車両の行き先表示器に「そうにゃん」を表示することも可能です。現在、相鉄は都心乗り入れプロジェクトを機に、ブランド戦略を強化しており、かつてのローカルなイメージから、先鋭的なデザインに交換中であり、「そうにゃん」の将来が案じられますが、この人気ぶりを見ている限り、安泰でしょうか。
【第4位】ごめんえきお君 他 土佐くろしお鉄道ごめんなはり線
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ごめんえきお君
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ごめんえきお君 他
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第4位は、『ごめんえきお君 他 土佐くろしお鉄道ごめんなはり線』です。高知県の東海岸を走る、ごめんなはり線。この鉄道には、もはやゆるキャラの域を超えたガチのキャラクターが開業時から存在します。このキャラクターを見て、何かに似ていると思いませんか?そう、このキャラクターの作者はアンパンマンの産みの親でもある、やなせたかし氏です。高知県は、やなせ氏の出身地ということもあり、他にも多くのキャラクターが存在していますが、ごめんなはり線には各駅にそれぞれ異なるキャラクターが当てられており、地域の利用者から愛されています。ここまで本気の鉄道会社公式のマスコットはなかなかないのではないでしょうか。
【第5位】ローカル戦士 センガタン 秩父鉄道労働組合
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ローカル戦士 センガタン
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ローカル戦士 センガタン
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第5位は、『ローカル戦士 センガタン 秩父鉄道労働組合』です。冒頭で、パレオ君を紹介した秩父鉄道ですが、もう一つキャラクターが存在します。それが、「ローカル戦士センガタン」です。こちらは、秩父鉄道労働組合の公式マスコットとなっており、現場で働く鉄道マンの愛が詰まったキャラクターです。2014年に惜しまれつつ引退した旧国鉄101系改め、秩父鉄道1000形などを模した、もはや可愛らしさや万人受けを無視した、超マニアックなローカルヒーローです。
しかし、このマニアックさが評判を呼んでいます。埼玉県知事公認・埼玉ご当地ヒーローズのメンバー。「センガタン3号(ブラザーブルーデキ)」の必殺技、「突放アタック」はわかる人なら、くすっと笑ってしまいますよね。SL運転日の熊谷駅や、イベント時に会うことが出来ます。You Tube動画も公開されているので必見です。
【第6位】イコカモノハシ(カモノハシのイコちゃん)
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イコカモノハシ
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イコカモノハシ
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第6位は、『イコカモノハシ(カモノハシのイコちゃん) 』です。JR東日本のSuicaに始まる交通系ICカードでは、その認知度向上を狙って、マスコットが制定されるのが通例になっており、各地のICカードにはそれぞれマスコットが広告塔を務めていますが、その中で一番人気はイコカモノハシではないでしょうか。何とも言えぬこの表情と、丸っこいフォルムが人気となり、発売されているグッズ数でも、Suicaのペンギンと同じか、それを上回る勢いではないでしょうか。
各地の鉄道ゆるキャラを調べていくと、意外にも関西私鉄にほとんどキャラクターがいないのがわかりますが、そんな中で関西の鉄道ゆるキャラの一強状態なのが、イコカモノハシと言えそうです。圧倒的支持層は女性のような気がします。
【第7位】京成パンダ 京成カード
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京成パンダ
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京成パンダ
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第7位は、『京成パンダ 京成カード』です。京成線のターミナルである上野のパンダを模したはず・・・であるこのキャラクターですが、何とも言えぬやる気なさげな表情が特徴的。これこそが、キモ可愛いというものなのでしょうか。パンダの白黒が寝不足のクマのようにも見えます。パンダ星で怠惰な生活を送っていたことをパンダ王に怒られ修行に来ているということですから、この表情もわざと作られたもののようです。
現在は動物園で飼育係、公津の杜で一人暮らし。好物は茹で落花生と、なかなかローカルなキャラクター設定。なお、厳密には京成電鉄のキャラクターでなく、京成カードの販促用キャラクターのようですが、現在では京成電鉄のいたるところで見ることも出来ます。ちなみに京成カードに加入すると、カードの裏面にもれなくデザインされてきます。
【第8位】のるるん 東急電鉄
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のるるん
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のるるん
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第8位は、『のるるん 東急電鉄』です。2012年に東急の広報活動の一環として登場したキャラクター。名前は公募により決定されました。2012年の登場ですか、主力となっている5000系車両をモチーフとしているため、2002年生まれという設定。「何をやるのも、あまり力を入れずにサラッとやってしまう器用なところも(使用電力40%削減)」・「人知れずダイエット(軽量化)に励む真面目な一面も」というベター過ぎる設定から、鉄道マニアには人気が低め。既に、さらに新しい車両が登場しているため、今後のるるんの形や色に変化があるのか、注目です。
【第9位】エゾモモンガ JR北海道
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エゾモモンガ
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エゾモモンガ
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第9位は、『エゾモモンガ JR北海道』です。JR北海道が発行するKitakaのキャラクター。イコカモノハシと同じく、ICカード系のマスコットです。JR東日本のSuicaのペンギンに似た、あまり表情のない風貌、色使いですが、作者は異なります。北海道らしさを前面に出している為、エゾモモンガグッズは、隠れた北海道土産にもなっています。しかし、他社と比べ、グッズがあまり多くないのが難点です。
【第10位】駅乃みちか 東京メトロ
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駅乃みちか
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駅乃みちか
鉄道ゆるきゃらおすすめランキング第10位は、『駅乃みちか 東京メトロ』です。東京メトロの地域応援キャラクターとして2013年に登場。サービスマネージャーで、普段は利用客の案内をしている、身長は154cm、年齢は永遠の23歳。出身はドイツのボンという、ちょっと地味なキャラクターでしたが、ある事件をきっかけに有名になってしまいました。それは、駅乃みちかの名前と設定はそのままに、あるキャンペーン時に今風の萌えデザインに変更されたことで、可愛くなりすぎとの声が上がった他、作画の都合でスカートが透けて見えると言うクレームが入り、ちょっとした炎上状態に。なお、現在では元のデザインに戻っており、ときどき広報誌などで見かけることが出来ます。