自動車の運転免許を取るときに、必死になって覚えた道路標識。実はあれで全てではないのです。意外かもしれませんが、教科書に載っている道路標識はあくまでも標準的なものであって、地方によって微妙な違いがある場合があります。これは、標識の設置者は都道府県の公安委員会や道路管理者が設置しているためです。ドライブ好きの中には、このような微妙に異なる標識や、地域限定のちょっと変わった標識を探すのが趣味になっている方もいらっしゃるようです。
今回は、普段あまり目にすることのないご当地標識を紹介します。
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圧倒的に多い動物系「道路標識」
記号で示されている進入禁止や追い越し禁止などの標識は基本的に全国共通です。そんな中で、圧倒的にご当地感が満載なのは動物飛び出し注意に描かれている動物です。教科書では鹿のマークが使われていますが、描かれる動物の種類は指定されていないのです。理論上はどんな動物を書いても問題はないということで、地方によって異なる動物が登場することがあります。中にはちょっとしたキャラクターのように描かれていたり、夜見たらちょっと不気味な感じに描かれていたりと様々です。
野生動物の宝庫、北海道の動物飛び出し注意① ~ 牛 ~
北海道と言えば、なんといっても牛。見渡す限りの牧草地帯に多くの牛が放牧されています。これら牛が道路を横断する可能性があるため、牧場近くの道路でこの標識を見ることが出来る場合があります。しかも場所によって牛の表情は様々。シルエットのみや、キャラクター化されているものなど、見比べてみるのも面白いでしょう。
「牛横断注意」の交通標識@摩周湖近辺
シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州出身の人として、やはり牛関係チェックは欠かせません。そして、北海道各地で飲んだ地元牛乳は、どれも超美味しかったのです😊 pic.twitter.com/1PtvHtsLIg— マライ・メントライン@職業はドイツ人 (@marei_de_pon) October 4, 2018
牛のカットイン🐄
田舎ならではの道路標識💡 pic.twitter.com/ehTl81HCy2— ASKA(雲蒸竜変🐯) (@aska3490) May 14, 2020
野生動物の宝庫、北海道の動物飛び出し注意② ~ リス ~
北海道に生息するエゾリス。これも道路標識に登場します。リスと言えば、可愛らしいイメージですが、怒っているのか驚いているのか、歯をむき出しにしている怖いリスの標識を見た記憶もあります。同じ動物でも様々なデザインが用いられているのがわかります。
西伊豆スカイラインで見つけた動物注意 標識⛔
リスは初めて見ました🐿️ pic.twitter.com/mVVMZUMq1p— たかたか (@backingline1) March 15, 2020
リスの標識 http://t.co/ORSlI1XV4F pic.twitter.com/PRBtBhKmXv
— やまうち🌗 (@takashiyam) September 19, 2015
野生動物の宝庫、北海道の動物飛び出し注意③ ~ 熊 ~
実際に出くわしたら、危険な動物、熊です。東北地方の山間や、北海道で出没する可能性のある熊ですが、道路標識にもデザインされています。ちょっと出くわしたくない標識でもあります。
カオちゃん、こんばんは🌙😃
🐻‼️ヒグマですよね💦
キツネの標識見つけたんだけど、タイミング逃して取れなかった😖
でも、🐻の標識撮れた!!
ここに🐻居るんだ~って思いながらうろうろしていました。
今日ニングルテラス行ったんだけど夜は最高に雰囲気いいですよ(୨୧ᵕ̤ᴗᵕ̤) pic.twitter.com/Rnh3OMbFxq— なおち (@keichan_pupu) October 21, 2018
北海道の高速には、動物注意の標識があるの。鹿、狐、狸。地元の人は、ガンガンに飛ばしてるけど、もしも、本当に遭遇したら互いに命が無いだろうなぁ。
一般道の山間には、熊の標識もあって、急ブレーキの跡が数多く見られました!
実際に、鹿に何度も遭遇してヒヤリ!
夜間は特に注意です。 pic.twitter.com/6tHmHq56SD— yuria (@yuriaroses) May 2, 2019
南国沖縄の特徴的な動物飛び出し
沖縄にも他の地方では見ることの出来ない特徴的な動物が存在します。やはり、道路標識にも登場しており、天然記念物のヤンバルクイナやイリオモテヤマネコをはじめとして、ヤドカリ、イモリ、カメ、カニなど沖縄ならではの動物を見ることが出来ます。場所が限定されてしまう動物も多いですので、かなりレアと言えるでしょう。
西表島だけにあるイリオモテヤマネコ注意の道路標識かわいいな pic.twitter.com/jujKpKXggC
— 小川真央 (@torikameinu) September 1, 2019
沖縄県宮古島市
伊良部大橋へ直結する道路にある標識です。
道路を整備しても小動物への優しさがあります。カエル、ヤドカリ、ヤシガニなどの小動物への配慮がここにあります。
スピード出さずに、特に夜は動物に注意です。 pic.twitter.com/dVcvKvprmw
— 宮古島の風🎌🌻 (@Qi1y77velgurg3e) July 22, 2019
その他の動物
日本全国で見られるものとしては、タヌキやキツネ、ウサギにイノシシなどのお馴染みの動物や、東北地方では白鳥など、他にも様々な動物が標識にデザインされています。ドライブの際には是非、注意深く観察してみて下さい。
前にも撮ったけど、このタヌキ標識可愛いよね(´∀`*)#エビフォト pic.twitter.com/DndURnrVOb
— エビフォト📷📸 (@ebiphoto1) May 5, 2020
津幡にある白鳥の標識みたいなものが他の県にあるのか… pic.twitter.com/poC6No5RiZ
— おにぎり侍@ (@kokudou0720) May 15, 2018
数値や道路の形が特徴的な「道路標識」
標識好きの中には、このようなマニアックな標識を追い求める人もいるようです。極端に高さが低かったり、道路の曲がり方がきつかったりと、なかなか奥が深そうなレア標識の世界です。
高さ注意!! 低すぎる制限
しばしばテレビでも取り上げられる提灯殺しのガードと呼ばれる鉄道の下をくぐる道路は、異常に高さ制限が低いことでも有名です。今のところ日本で一番低いガードは大阪府に存在するようです。ただし、これは現在車の通行は出来ません。標識だけが存在します。東京で一番低かったのは山手線の下をくぐる1.5mが最も低く、こちらは車の通過も出来ることで有名でした。しかし、こちらも周辺の整備事業に伴う工事で消滅しています。
高輪ゲートウェイ駅の登場にあわせて、急に人気スポットになった「泉岳寺トンネル」。
天井スレスレ。真上には電車が行き交う恐怖の車道。
「提灯殺しのガード」や「お化けトンネル」など、様々な愛称がありますが、正式名は「高輪橋架道橋」。
来月4月12日に車両通行止めとなるので、今が見納め。 pic.twitter.com/13kV1bk2mp
— 池田 泰延 (@clockmaker) March 15, 2020
厳しすぎる重量制限
用水路を跨ぐ橋などの手前に、重さ制限の標識がしばしばありますが、中には1t未満しか通行できないというものもあるようです。小型車両しか通行できず、うっかりして入ってしまうと非常に危険です。
ちなみに、ここの橋の重さ制限は昨日現在2.0tですが、上郷r133交差点の案内標識やその先の「この先300m」では5.0tになっていて、橋の東側の堤防まで行ってようやく2.0tになっています。老朽化などで規制が変わったのでしょうか。 pic.twitter.com/ZJ1KSJ0c9x
— き@はみ禁 (@TomoK0827) December 1, 2015
ヘアピンカーブ
この先カーブ注意の標識は、弧を描くようにカーブが示されていますが、山道には、まるで蛇の如くウネウネするカーブ注意の標識も存在します。山道をドライブする際にはチェックしてみて下さい。もちろん、安全運転で。
ヘアピンカーブの2段下まで見えるって、実にダイナミック!!
標識も、補助標識まで含めて非常に凝ってる。
道幅は極狭1車線なのに、曲線半径が現在の基準に即した「現代の細道」という点もまた見逃せない。#道路 #標識 pic.twitter.com/67doAkFxzT— たこ(道路好団垢)@C103ありがとうございました (@road0724day) March 13, 2020
地域特有の「道路標識」
東西に跨る日本列島では地域により大きく気候が異なります。また、特徴的な地形も多く存在します。そのため、教科書に載っていても、普段は滅多にお目にかかれない標識も存在します。そんな標識を集めてみました。
矢羽根付きポール
道路上にせり出し、上から下に伸びている赤と白の矢印を見たことはありますか?これは積雪時に路肩が雪に覆われて見えなくなってしまうことから、路肩を示す役割を担っています。北海道や日本海側など、雪の多い地域では常識的な標識ですが、案外知られていないのも事実です。夏場に見かけると、一体何のための矢印なのかと感じるかもしれません。
この赤白の矢印の標識見たことあるけど、名前知らないよね?
矢羽根付きポールって言うんだって#北海道民 pic.twitter.com/BQwyIgv21Y— vladimir.p (@uttiy_1101) January 5, 2020
この先海
車が海に真っ逆さまに転落しているちょっと怖い標識です。港近くや、断崖の海岸線などに設置されているようです。黄色い警戒標識ではなく、案内標識として文字だけで説明されている場合もあります。「この先海」という場合の他に、「転落注意」という補助標識が設置されていることもあり、同じデザインが使いまわしされているのもわかります。
標識こわいwwwww (この先、海) pic.twitter.com/Q0s59gN3RP
— Rie(りえ)香港 (@japanavi) October 4, 2013
安全地帯
これは教科書にも載っていて、試験にも出題される標識です。しかし、実際に安全地帯を見たことがあるという人は少ないかもしれません。道路内にあって、歩行者の安全を守る空間ではありますが、路面電車の乗り場以外ではほとんど見かけません。また、その多くも簡単な屋根やホームが設置されてきているため、純然たる安全地帯(路面にマークだけを入れたもの)はなかなか見られなくなっています。同じく、軌道敷内通行可も、路面電車のある都市でしか見ることが出来ない標識です。
安全地帯標識 pic.twitter.com/dCd5jxtRkK
— いつかいちくん✈︎@1/1-4_大阪 (@itsukaichi_engi) November 29, 2019
カントリーサイン
カントリーサインと言う言葉を聞いたことはありますでしょうか?都道府県や市町村の境に設置されている地名の記した標識ですが、これらは道路標識のうち、案内標識に分類される立派な標識です。基本的に文字だけで示したものが多いですが、一部の市町村境にはご当地のデザインを使用していることがあります。特に北海道は全市町村がカントリーサインを採用しており、様々な図柄が用意され、ドライブする人の目を楽しませています。有名なバラエティ番組「水曜どうでしょう」の企画でもこのカントリーサインを集めるというものがありましたね。
【’17北海道ツーリングまとめ3】カントリーサイン、動物の警戒標識撮影したよ https://t.co/JVCrRru4Bi pic.twitter.com/Gf0uMOK5Lt
— バイクファン (@motorcyclefan_) October 19, 2017
まとめ
このように免許講習時には習うことのない道路標識が日本には多く存在しています。一説によれば、日本の道路標識の数は世界的に見ても非常に多いようですが、しっかりとシステム化されているようで、全く異なる道路標識の世界、非常に奥深いものだと思います。そして、そのまだ見ぬ標識を求めて出かけてしまうのも日本人です。是非、遠方にドライブする際には、道路標識を注意深く観察してみて下さい。
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