今回は日本の道路標識から視点を変え、アメリカの道路標識を紹介します。日本で運転免許を保有している場合、手続きにより国際免許証を取得することが出来ます。この国際免許証を保有していると、上陸日から1年間、海外の主な国で自動車を運転することが出来ます。もちろんアメリカでも運転が出来ます。
しかし、アメリカの場合、ヨーロッパで運転するのとは異なり、ちょっと注意しなければならないことがあります。それは道路標識です。道路標識は誰にでもわかりやすいように記号などを使って意味を訴えるものが多いですが、アメリカの場合、文字がメインとなります。では、どうしてアメリカの道路標識は文字主体になったのでしょうか。簡単に紹介します。
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記号重視のヨーロッパの「道路標識」
日本を含めて、世界的には記号をメインに使った道路標識が圧倒的多数を占めます。道路標識は各国が独自に定めているようにも見えますが、一応世界的な共通ルールは存在します。島国の日本においては、あまりイメージ出来ないかもしれませんが、ヨーロッパを中心として隣国と陸続き、かつ国境の通過が容易な国は多く存在します。当然、他国の車がそのまま乗りれてくるという事象は多く存在します。
その中で、道路標識が各国で異なっていては不都合です。そのため各国での統一的な道路標識を定めた条約があります。1978年に発効された「道路標識及び信号に関するウィーン条約」です。
道路標識及び信号に関するウィーン条約とは?
この条約はヨーロッパの各国間の通行を円滑にするために作られた条約です。元々、外国人が車を運転し入国してくることの多かったヨーロッパの各国は、誰にでも理解しやすいように記号や絵を使った標識が多く使われていました。ですから、この条約にも引き継がれ、文字を使わない記号が統一の標識として定められたのです。
なお、統一と言っても各国で微妙な違いは存在します。現在では、ヨーロッパのほとんどの国が加盟している他、やはり陸続きのユーラシア大陸でも一部の国が批准し、全部で64か国ほどです。このような統一ルールがあることで、ウィーン条約批准間では国際免許の手続きをすることで、海外でも運転することが出来るようになっています。しかし、アメリカはこの条約を結んでいません。ヨーロッパと異なり、陸上で接する国が少ないわけですから、当然と言えば当然です。
ちなみに、日本もウィーン条約を結んでいませんが、標識自体はヨーロッパのものに近い記号中心のものになっています。
日本の国際免許でヨーロッパでもアメリカでも運転出来る理由
実は、道路交通に関する世界的な条約として、1949年に発効された「ジュネーヴ交通条約」があります。この条約は道路標識に関する条約ではなく、道路交通に関する規則や、また国際免許を認めることが中心となっています。つまり、国際免許はこの条約を結んでいる国々で有効ということになります。約100の国や地域が含まれています。
世界的な傾向として、ウィーン条約又はジュネーブ条約いずれかを結んでいることが多く、日本やアメリカはジュネーブ条約を結んでいるわけですが、ヨーロッパの多くの国は両方を結んでいる為、日本で発行した国際免許で運転することが出来るようになっています。つまり、道路標識の違いに関わらず、国際免許は発給されるわけで、何も勉強せずに海外で運転をすることは、ちょっと勇気のいることなのかもしれません。
日本と全く異なるアメリカの「道路標識」
前置きがながくなりましたが、アメリカの道路標識を紹介します。先述の通り、アメリカの道路標識は文字がメインです。ですから、アメリカ英語をしっかりマスターしている人なら、何ら問題は無いとは言えますが、これから初めてアメリカで運転するという人はしっかりチェックしておいた方が良いでしょう。あまり日本で見かけないものを以下にまとめてみました。
速度表記には要注意
アメリカでの速度はマイル表記です。慣れていないとなかなか難しいかと思いますが、注意しましょう。なお、黒地のものは夜間の速度規制です。
歩行者横断あり
日本でもお馴染みの歩行者に注意の標識ですが、アメリカの標識では人間の図柄がない場合があります。やはり、そうなるとちょっとわかりづらいですよね。
右左折禁止
ノーターンと見ると、Uターン禁止のように錯覚してしまいますが、これは右左折禁止という意味です。Uターン禁止は日本でもお馴染みの図柄を使った標識になっています。
同乗専用
日本では耳慣れない同乗専用という言葉ですが、交通渋滞が激しい都心部などを中心に、設定している国はいくつかあります。こちらの標識では1台に2人以上乗車している車専用という意味で、1人しか乗っていない車は入れないことになります。
ジャグハンドル
日本ではほとんど見られない交通ルールとして、ジャグハンドルが存在します。車線数の多い道路などで、右左折が禁止されている場合、交差道路に側道経由で誘導するやり方です。
停止する準備をせよ
停止する準備をしないといけないほど、一般道でスピードを出すことがあるのでしょうか。アメリカならではの標識と言えそうです。なお、警戒を示す標識は日本と同じく黄色、菱形が使われることが多いようです。
前方発破作業中
オレンジ色の警戒の標識は一時的に設置されているものです。こちらの標識は発破作業をしているので注意せよとのことですが、どのような状況なのでしょうか。
嵐発生エリア
これまたアメリカならではの標識です。嵐の他、強風注意の標識など、いくつかの気象状況に注意を促す標識が存在します。
まとめ
ここで紹介したアメリカの標識はほんの一部に一部ですが、いかに文字に頼って標識が作られているかということがわかるかと思います。また、州によって多少のデザインに違いがあります。しかし、いずれにせよ、いきなり英単語で出されると、なかなか理解しづらい部分もあるのではないかと思います。視認性という意味でも、記号や図柄になれてしまっている私たちにとって、少し難しい面もあるのではないかと思います。実際にアメリカで運転する際には、事前に確認をして、安全運転に努めたいですね。
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