この記事では、旅行地理検定の試験日・試験内容・合格率についてまとめています。この資格に関心がある皆さま是非参考にしてください。
旅行先で見聞を広めたり、知識を得ることは立派な社会的学習です。ヨーロッパでは古くからグランドツアーとして、子息を旅に出すというのがステータスになっていました。しかし、日本において旅行や観光というと、どうしても物見遊山的な遊びに捉えられがちで、どんなに全国を巡ろうが、海外を旅しようが、受験や就職で有利に働くことはありません。ですから、旅行好きな人に取得してもらいたいのが「旅行地理検定」資格です。資格を持っていることによって、あなたの知識が世間に通用するようになります。上級を目指して頑張りましょう。それだけではありません。近年、旅行をする人自体が急減しています。日本人のパスポート保有率の低さは有名ですが、それどころか国内旅行にすら出なくなった結果として、観光地は外国人誘致に走り、日本なのに日本人がいないという笑うに笑えない現実を生み出しているのです。
出身地を言われてもどこにあるのかわからない、イメージがわかない、そんな人が案外多いのではないでしょうか?旅行好きな人はもちろんですが、そうでない人も、「旅行地理検定」を通して、日本や世界を知るきっかけにしてみてはどうでしょうか。数ある資格の中でも楽しみながら、旅行に出かけた気持ちになりながら勉強出来る資格は「旅行地理検定」だけでしょう。
それでは、旅行地理検定について紹介していきましょう。
※このサイトは広告が含まれております。リンク先の他社サイトにてお買い求めの商品、サービス等について一切の責任を負いません。
旅行地理検定の概要・難易度
JTB総合研究所が主催する、観光に関する地理の検定です。「旅先の知識を豊かにし、旅をより楽しく充実したものにすること」を目的にスタートした民間の資格ですので、あくまでも趣味者向けの雑学検定のように思われるかもしれません。
しかし、観光業界志望者や、観光関連企業や団体から“地理検”として親しまれている老舗の検定です。「旅行業務取扱管理者試験」の「国内旅行実務(観光地理)」の対策のため、先に受けておくという学生も多いです。また上級以外はインターネットからの受験も出来るため、気軽に受験が出来るのもメリットです。一方でカンニングなどの不正行為が理論上可能であるため、受験や就職でアピールするには会場での受験をおすすめします。「旅行地理検定」は、高確率から鑑みて難易度は比較的低い資格です。
受験資格
どなたでも受験可能です。
受験申込期間
- CBT会場受験:2023年5月18日(木)10:00~6月8日(木)16:00まで
- インターネット受験:2023年5月18日(木)10:00~6月20日(火)16:00まで
受験の申し込み方法
「WEB申し込み」「コンビニ申し込み」「郵送申し込み」の3通りがあります。
「WEB申し込み」の場合
外部の専用サイト「キャリタス資格・検定」から申し込み手続きをします。
- 専用サイトで支払方法を選択
- 案内に沿って手続き
- 完了すると受験票が届く
※クレジットカード、コンビニ支払い、LINE Pay、楽天ID決済から選択できます。
「コンビニ申し込み」の場合
各コンビニ設置の端末から「キャリタス資格・検定」にアクセスして申し込み手続きをします。
- 端末から手続き
- コンビニで支払いをすると申し込み完了
※クレジットカード、コンビニ支払い、LINE Payから選択できます。
「郵送申し込み」の場合
申し込み用紙を入手してから手続きをします。
- 申し込み用紙をダウンロードまたは協会へ請求する
- 必要事項を記入
- 支払方法に合わせて支払い(郵送)する
- 完了すると受験票が届く
※銀行振込で支払います。
みずほ銀行 銀座支店 普通預金口座 1950141
株式会社JTB総合研究所 旅行地理検定協会
旅行地理検定の試験日程と試験内容
試験日程
2023年6月9日(金)~2023年6月20日(火) ※インターネット受験は、6月9日(金)10:00~6月20日(火)16:30までに開始
旅行地理検定は例年、6月と12月に年2回実施されています。しかし、受験者数が急激に減少していることもあり、2022年度以降、当面は6月の年1回のみの実施に変更となっています。
試験内容
試験は日本国内及び世界の初級・中級・上級に分かれています。いずれも国内又は世界の観光施設、鉄道、祭り、歴史、文学、文化、島や山といった自然についてと、地理というよりも地誌に近い出題となっています。旅行地理検定のホームぺージで各級ごとの問題例が確認出来ますので、自分に合った級を確かめて下さい。「旅行業務取扱管理者試験」の対策として、国内・海外共に中級が受験の目安ですとされているのもありますが、初級では一般常識的な問題も多いので、社会で通用するのは中級以上です。なお、受験階級は2020年開催回より、従来の1~4級から変更された経緯があります。
以前の出題される観光スポットの目安は、
- 4級が300か所程度
- 3級が400か所程度
- 2級が1200佳代程度
- 1級が2000か所程度
となっていました。公式テキストとして「国内旅行地理ベーシック300+α」「海外旅行ベーシック400+α」が発売されていますが、これを完璧にしてもなお、中級以上の勉強には不足します。アニメの聖地巡礼などの時事問題も含め、あらゆるところから出題されるため、普段から新聞やテレビ、ネットなども活用し情報収集する必要があります。そういう意味で、中級以上を受験して、初め本当の旅行と地理の知識を知ることが出来ると言えます。
出題の目安(国内)
問題数 | 80問 | 100問 | 100問 |
---|---|---|---|
出題範囲 | 『国内旅行地理ベーシック300+α』に掲載されている観光スポット | 『国内旅行地理ベーシック300+α』に掲載されている観光スポット、日本国内の旅行地理に関する時事 | 日本国内の観光スポット(約1,200箇所)、日本国内の旅行地理に関する時事 |
認定基準 | 日本国内の旅行地理に関する基本的な知識を習得している。 | 日本国内の旅行地理に関する標準的な知識を習得している。 | 日本国内の旅行地理に関する豊富な知識を習得している。 |
出題の目安(世界)
問題数 | 80問 | 100問 | 100問 |
---|---|---|---|
出題範囲 | 『海外旅行ベーシック400+α』に掲載されている観光スポット | 主要国・地域の観光スポット、世界の旅行地理に関する時事 | 世界の観光スポット(約1,200箇所)、世界の旅行地理に関する時事 |
認定基準 | 世界の旅行地理に関する基本的な知識を習得している。 | 世界の旅行地理に関する標準的な知識を習得している。 | 世界の旅行地理に関する豊富な知識を習得している。 |
受験手数料
初級 | 中級 | 上級 | |
---|---|---|---|
CBT会場受験 | 3,500円 | 4,500円 | 5,500円 |
インターネット受験 | 3,500円 | 4,500円 | – |
※受験手数料は税込みです。
受験地一覧
上級はCBT会場受験のみとなります。全国各地の試験センター(CBT形式)での受験、もしくは自宅等からのインターネット受験のどちらかを選ぶことができます。
旅行地理検定の合格率(合格基準点)
旅行地理検定の合格基準は平均点に関わらず70%(会場受験)、75%(インターネット受験)に設定されています。なお、新階級での実施初回の2020年6月開催分は新型コロナウイルス感染拡大に伴い会場受験が中止となった他、過去の合格率や受験者数が公式ホームページから削除されてしまっているため、正確なデータが存在しません。参考までに2020年6月の準会場受験者(学校・企業等の団体受験)数と合格率は以下の通りです。専門に勉強している受験者の結果ですので、合格率が高くなっています。通常の場合、初級で40%、中級で30%、上級で10%~20%程度になるものと思われます。
日本(会場試験) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初級 | 中級 | 上級 | |||||||
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2023年 | 341 | 171 | 50.1% | 305 | 142 | 46.6% | 70 | 14 | 20.0% |
2022年 | 270 | 95 | 35.2% | 403 | 186 | 46.2% | 87 | 29 | 33.3% |
2021年 | 489 | 228 | 46.6% | 733 | 324 | 44.2% | 244 | 89 | 36.5% |
世界(会場試験) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初級 | 中級 | 上級 | |||||||
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2023年 | 52 | 37 | 71.2% | 74 | 16 | 21.6% | 21 | 13 | 61.9% |
2022年 | 85 | 65 | 76.5% | 87 | 30 | 34.5% | 22 | 11 | 50.0% |
2021年 | 136 | 80 | 58.8% | 199 | 69 | 34.7% | 55 | 40 | 72.7% |
旅行地理検定の書籍・参考書・過去問
『旅行地理検定の学科試験勉強用のテキスト・問題集ってあるの?』と悩んでいませんか?こちらでは、旅行地理検定の学科試験を独学で勉強している方に向けて、おすすめのテキストや問題集をご紹介します。是非参考にしてみてくださいね。
公式テキストでもある「国内旅行地理ベーシック300+α」などは一般に流通しておらず、書店やAmazonなどで購入することが出来ません。直接JTBのサイトから購入する必要があります。また、公式からも1級(上級)対応の参考図書はございませんとアナウンスされている通り、級によっては実力勝負という面もあります。旅行好き、地理好きならば勉強なしでも合格できる試験である一方、興味がない人にとって単なる暗記にも限度があり、挫折する要因になります。日頃から旅行に行けないとしても、地図帳を眺めたり、テレビの旅番組を視聴したり、アンテナを広く張っていることが合格への近道となります。
完全制覇 国内旅行地理検定試験
唯一一般に流通している旅行地理検定国内向けの参考書です。ただし、この検定に特化したものではなく、「一般旅行業務取扱管理者試験」・「国内旅行業務取扱管理者試験」の(国内旅行実務科目)、「全国通訳案内士試験」(国内地理科目)にも対応しています。データ編や地域別問題で標準知識を得るだけでなく、「一般・国内旅行業務取扱管理者試験」の「国内旅行実務科目」の過去問に準拠して作成した模擬試験6回分を掲載していますので、実践的な学習が出来ます。
著書 | 森住 正明 |
---|---|
出版社 | 一ツ橋書店 |
ページ数 | 296ページ |
日本旅行地理検定問題集
2022年6月に実施した第55回日本旅行地理検定の初級、中級、上級の全問題と解答が掲載されています。実際にどのような問題が出題されているかを知ることができます。旅行地理の学習成果を試す教材として、試験対策に活用できる一冊です。
著書 | JTB総合研究所 |
---|---|
出版社 | JTB総合研究所 |
ページ数 | 62ページ |
世界旅行地理検定問題集
2022年6月に実施した第55回世界旅行地理検定の初級、中級、上級の全問題と解答が掲載されています。実際にどのような問題が出題されているかを知ることができます。旅行地理の学習成果を試す教材として、試験対策に活用できる一冊です。
著書 | JTB総合研究所 |
---|---|
出版社 | JTB総合研究所 |
ページ数 | 60ページ |