このページでは中学受験の社会(特に地理)についてまとめました。元高校教師が入試によく出る内容を講義形式(全33回)にてまとめました。おすすめの参考書や問題集を紹介したり、ダウンロード可能な問題プリントもたくさんご用意しました。是非ご活用ください。
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中学受験対策 [社会]
受験科目の中で、社会は暗記科目だと認識している方が多いと思います。暗記科目は、『早くから手をつけると忘れてしまいそうだから最終段階で詰め込めばいい』と思って後回しにしていませんか?実際に学習を始めてみたら、意外と暗記だけでは抑えきれないことに気づき、慌てることがあります。社会は暗記だけでは、得点につながりません。特に地理においては、暗記よりも理解力が必要となります。地名だけを単独で暗記したところで、問題では農作物の産地と絡めて出題されます。ですから、地名を覚える際には、産業、農業、気候などと合わせて総合的に覚えていく必要があるわけです。
社会科目の受験は、それぞれの知識を組み合わせて総合的に理解しておかなければ得点に結びつかないような出題傾向に変化しています。社会は暗記科目という認識を捨てて、早めに学習をスタートさせることで、他者と差をつけやすい科目でもあります。暗記ではない学習方法や役に立つ参考書、グッズなどを紹介していますので、しっかりと対策を手に入れておきましょう。
この記事では、中学受験の社会(特に地理)についてまとめました。元高校教師が入試によく出る内容を講義形式(全33回)にてまとめました。おすすめの参考書や問題集を紹介したり、ダウンロード可能な問題プリントもたくさんご用意しました。是非ご活用ください。
中学受験 [地理]のポイント
地理科は、自然環境や社会環境に関する知識を学ぶ科目であり、世界や日本の地理的な特徴や地形、気候、経済活動、文化、人口などについて学びます。地理科の学習は、人間が地球上で生活していく上で重要な知識を身につけるために行われます。中学受験の地理科の主な内容としては、以下のような項目が挙げられます。
- 地球の構造と地形:地球の層構造や地形、山脈、平野、河川、湖沼、海洋などについて学びます。
- 気候と気象:気候帯、季節、降水量、温度変化、風など、気候と気象に関連する現象について理解します。
- 経済地理:国や地域の経済活動、産業、交通、商業、農業などについて学びます。
- 人口と文化:世界各地の人口分布、人口の増減要因、文化的な違いや多様性などについて理解します。
- 地域研究:特定の地域(例:日本、アジア、欧州など)の特徴や歴史、文化、経済について詳しく学ぶ場合もあります。
中学受験の地理科の対策としては、地図を使って地形や国の位置を覚えたり、天候や季節の変化に関する基本的な知識を理解したりするといった基本的な学習が重要です。また、地理の出題傾向を把握し、過去問題や模擬試験を解くことで対策を立てることも効果的です。地理は実際の生活や社会に密接に関わる学問であり、持続可能な地球社会を築くためにも重要な科目です。中学受験だけでなく、将来の自己啓発のためにも地理の学習を続けることがおすすめです。
[攻略法①] 地理の基礎を固める
まずは、世界から見た日本の位置を理解しましょう。領土や世界の国々の位置関係を知り、国際問題まで発展的に情報を繋げていきましょう。世界上での日本の地理的な位置や立場が理解できたら、次に日本国内に目を向けていきます。都道府県名は、地理の問題の基本となります。算数に置き換えれば、公式となるものです。都道府県名、県庁所在地を確実に抑えることで、地理のあらゆる出題に対応できる基礎ができます。
①日本列島を覚える
日本列島には、47の都道府県があり、それぞれに県庁所在地があります。さらに7つのエリアに分かれています。まずは自身が住んでいる都道府県からはじめ、所属する地方区分を調べるなど、興味の持てるところから学習していくといいでしょう。
47都道府県の位置と名前、漢字表記、県庁所在地を覚えます。これらはセットで覚えておくといいでしょう。都道府県名やには、普段使いしない漢字や読み方異なる漢字があるので、確実に覚える必要があります。県庁所在地は、都道府県と異なる地域が18あります。出題頻度が高いので、重点的に学習しましょう。県庁所在地は、大人でも勘違いしている方も多いので、この機会にお子さんと一緒に学び直すのもいいですね。
県庁所在地が異なる都道府県18
- 北海道・東方エリア
北海道ー札幌市(さっぽろ)
岩手県ー盛岡市(もりおか)
宮城県ー仙台市(せんだい) - 関東エリア
茨城県ー水戸市(みと)
栃木県ー宇都宮市(うつのみや)
群馬県ー前橋市(まえはし)
埼玉県ーさいたま市
神奈川県ー横浜市(よこはま) - 中部エリア
山梨県ー甲府市(こうふ)
石川県ー金沢市(かなざわ)
愛知県ー名古屋市(なごや) - 近畿エリア
三重県ー津市(つ)
滋賀県ー大津市(おおつ)
兵庫県ー神戸市(こうべ) - 中国・四国エリア
島根県ー松江市(まつえ)
香川県ー高松市(たかまつ)
愛媛県ー松山市(まつやま) - 九州・沖縄エリア
沖縄県ー那覇市(なは)
おすすめの教科書、参考書はこちら
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②気候・災害を覚える
日本の気候・災害に関する問題は頻繁に出題されるので、必ず把握しておきましょう。日本の気候は6つの気候区分に分けられます。各気候区分ごとに特徴を抑え、それに伴う自然災害(水害・風害・干害、冷害、雪害、地震)を整理しておきましょう。
日本の気候区分6つ
- 北海道気候
- 太平洋岸式気候
- 日本海岸式気候
- 内陸性気候
- 瀬戸内式気候
- 南西諸島気候
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③人口を把握する
地理の基礎知識として人口を知っておくことは重要です。人口だけでなく、人口密度、面積まで合わせて把握しておくと、問題を解く際に助けとなります。単純に人口を問われる問題はありませんが、人口を絡めた農業、工業、産業、など経済に絡めた問題は頻出しています。
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④農業を覚える
日本の農業は、専業農家と兼業農家に分かれています。それぞれの特徴を把握しておくことが大事です。最も出題されるのが、生産ランキングです。農作物と地域、生産量をしっかりと学習しましょう。農業は気候が大きく関わっています。先ほど述べた気候を覚える際に、気候に合わせた農業の特色を関連付けて覚えてしまうと一石二鳥です。
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⑤水産業を覚える
周りを海で囲まれた日本において、水産業は生活に密接しています。近年は、食料問題に絡めてグラフ等も使って頻繁に出題されます。主要な港と水産業が発展している地域、漁獲量、漁獲種を関連付けて覚えておきましょう。その際に海流や海岸、湾なども合わせて覚えておくといいですね。
⑥工業を覚える
地理の分野で、重要単元の一つであるのが工業です。工業地帯別に場所、特徴、生産量、出荷量など詳細まできっちりと抑えておく必要があります。工業の単元からの出題割合が多い傾向があるので、特に重点的に学習しておいて損はありません。地図上でしっかりと工業地帯の説明ができるようになるまで、時間を割いて学習する必要があります。三大工業地帯と言われる、中京工業地帯、京浜工業地帯、阪神工業地帯は、基礎となるので、必ず抑えておきましょう。工業地帯ごとをまとめるとともに、金属工業、機械工業、化学工業など、工業の特色を整理したオリジナルノートを作るとさらに安心です。
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⑦伝統工業を覚える
工業の単元の中には、伝統工業も含まれています。地方ごとに発展した伝統工業の特色をまとめておくと他と差がつきます。伝統工業の発展にはその地域独特の気候や地理的要因が関わってきます。単純に、地域と伝統工業を覚えるのではなく、なぜ、その地域で伝統工業が発展したかという背景まで学習することで点数アップにつながります。
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⑧公害と環境への取り組みを知る
工業の単元からの出題傾向が多い中で、欠かせないのが、公害と環境の問題です。工業の発達によってもたらされた公害や環境問題について頻繁に出題されます。四大公害病については、起こった場所、原因物質、裁判の内容など丁寧に学習しておきましょう。今後の環境問題についての意見などを述べる出題もあります。公害対策基本法、環境基本法なども合わせて知っておくことで、ポイントアップができます。
四大公害病
- 水俣病(みなまたびょう)
- イタイイタイ病
- 四日市ぜんそく(よっかいちぜんそく)
- 新潟水俣病(にいがたみなまたびょう)
[攻略法②] 白地図でオリジナルノートを作る
社会の地理に最も役立つのが、白地図です。白地図とは、日本の地図に都道府県の境界線のみが描かれている地図です。白地図には、さまざまな種類があり、無料でダウンロードできるものもあります。
都道府県の境界線のみの白地図を利用して覚える項目
- 都道府県
- 県庁所在地
- 地方わけ
- 面積、人口密度
- 山地、山脈、平野、河川
- 台地、半島、
- 海、海岸、暖流、海流
- 工業地帯
- 気候区分
- 世界遺産
都道府県名や県庁所在地、面積、人口密度、自然環境などを覚えていきます。具体的には、山地、平野、河川、台地、半島、海峡などを白地図などを活用して覚えます。白地図に何度も書き込むことで、全体像がしっかり頭に入ります。学習するカテゴリごとに新しい白地図に書き込んでいきましょう。産地や農業、工業地帯、気候など、自身が覚えたい内容を書き込みましょう。カテゴリごとに書き込まれた白地図が貯まったら、世界に一つのオリジナル地理ノートが完成します。
関連記事白地図 [日本地図]
[攻略法③] 地方ごとに関連情報をまとめる
都道府県名や山脈、湾など地理的な公式となる基礎を覚えたら、次は地方ごとに情報を関連付けていきましょう。例えば、北海道をピックアップしていきましょう。北海道といえば雪のイメージがあると思いますが、実は北海道の降水量は多くありません。それは何故なのか?という疑問を持つところから、気候の特徴を調べることで学習が広がります。地方ごとに、地形に伴う気候の変化、気候に対応した産業や農業の発展の仕方、人口密度など総合的に学習することがポイントとなります。近年の出題傾向は、あらゆる事象やワードを単独で覚えても得点に繋がらないことが多いようです。総合的に関連付けて理解することが重要です。
おすすめの地理の単元ごとのまとめはこちら
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[攻略法④] ゲーム要素を取り入れて楽しく学ぶ
地理の公式とも言える、都道府県名や県庁所在地はパズルやゲームで覚えるとスッと頭に入ってきます。たくさんのアイテムが販売されているので、お子さんが興味を持ちそうなものを選んであげましょう。YouTubeや動画なども楽しく覚えやすい工夫がされています。フラッシュクイズ的にイメージとともに都道府県を紹介しているものなどを使うと、苦労せずに覚えることができるでしょう。面白くてわかりやすい本や地図も参考になります。雑学などとともに、地域を紹介しているものは勉強時間の合間に息抜き感覚で楽しみながら、続けることで確実に知識が身につきます。
関連記事地理の成績向上に役立つおすすめグッズ200選
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[攻略法⑤] 旅行を活用する
旅行は、地理を覚える効果的な方法の1つです。実際にその地へ足を運んで体験することで、学習した内容が記憶とともに身につきます。旅行の計画を立てるところから、学習につながります。現地で地産地消のものをいただいたり、観光名所に行けば、自身のオリジナルノートの情報とリンクして面白い、旅行ができますね。
地理の学習プリント
地理は地形や地名を暗記するだけと思って学習に取り組むと痛い目を見ます。確かに暗記の部分も多くはありますが、関連ワードと地形との繋がりや現在の状況までを把握していくことが必要です。単語帳や白地図への書き込みと同様に記述問題に対応した学習が必要です。
No. | テーマ | 内 容 | 問題プリント |
1 | 地球上の日本の位置 |
日本の東西南北の端、位置 (経度・緯度)情報、時差の解説 |
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2 | 国土の広がりと国際問題 |
領土、海流、半島を含めた 国土の広がりと国際問題 |
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3 | 日本の今と昔の地方区分 |
都道府県、地方名からみる 日本の旧地方区分の解説 |
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4 | 昔と今の都道府県 |
県庁所在地、面積、人口、 人口密度、政令指定都市を解説 |
|
5 | 日本を取り巻くプレートと火山 |
日本を取り巻くプレートと 活火山からみる巨大地震の関係性 |
|
6 | 日本の山地・山脈・盆地・海岸 |
日本の山地、山脈、盆地、 海岸を全て解説 |
|
7 | 日本の川・台地・平野 |
日本の川、台地、平野を全て解説 |
|
8 | 気候の原因とそれを決めるもの |
気候の原因と それを決める要因を徹底解説 |
|
9 | 日本各地の気候 |
日本各地の気候から 地方の特色を知る |
|
10 | 世界から見た日本の人口 |
世界と日本の人口を比べて 日本を知る |
― |
11 | 日本の抱える人口問題① | 日本が抱える 少子高齢化問題を解説 |
― |
12 | 日本の抱える人口問題② | 日本が抱える 過疎と過密の問題を解説 |
― |
13 | 日本の農業① | 稲作からみる 日本の農業、米作り |
|
14 | 日本の農業② | 日本の農業、 稲作の問題点を解説 |
― |
15 | 日本の農業③ | 畑作からみる 日本の農業、畑作の盛んな地域 |
|
16 | 日本の農業の問題点 |
日本の農業の問題点を しっかり解説 |
― |
17 | 日本の畜産業と問題点 |
畜産が盛んな地域からみる 日本の問題点 |
|
18 | 日本の水産業と問題点 | 漁業と漁法からみる 日本の水産業の問題点 |
|
19 | 日本の工業の種類・特徴・歴史 |
日本の工業の種類、 特徴、歴史を解説 |
|
20 | 日本の自動車産業 |
自動車産業都市から知る 日本の自動車産業 |
|
21 | 日本の四大工業地帯の 特徴を解説 |
|
|
22 | 代表的な工業地域の特徴 | 瀬戸内、東海、京葉、 鹿島臨海の工業地帯の特徴 |
|
23 | グローバル化が進む世界 | 日本の輸出入から見る 日本の貿易港、相手国の解説 |
|
24 | 日本の交通の歴史 | 街道、鉄道、自動車、 飛行機からみる日本の交通の歴史 |
|
25 | 日本の交通の歴史 | 日本の交通の歴史を 詳細に解説 |
― |
26 | 日本の交通の歴史 | 日本の交通の歴史からわかる 世界事情 |
― |
27 | 北海道の自然・歴史・産業 |
北海道の自然、歴史、産業、 伝統工業、世界遺産を解説 |
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28 | 東北地方の自然・歴史・産業 |
東北地方の自然、歴史、産業、 地形、工業を解説 |
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29 | 関東地方の自然・産業・世界遺産・交通 |
関東地方の自然、産業、 世界遺産、交通、地形、工業を解説 |
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30 | 中部地方の自然・産業・世界遺産・交通 |
中部地方の自然、産業、 世界遺産、交通、地形、工業を解説 |
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31 | 近畿地方の自然・産業・世界遺産・交通 |
近畿地方の自然、産業、 世界遺産、交通、地形、工業を解説 |
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32 | 中国・四国地方の自然・産業・世界遺産・交通 |
中国地方の自然、産業、 世界遺産、交通、地形、工業を解説 |
|
33 | 九州・沖縄地方の自然・産業・世界遺産・交通 |
九州地方の自然、産業、 世界遺産、交通、地形、工業を解説 |
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