外国人向けの地図記号が作られたのはなぜ?
ご存じのように、2020年には東京オリンピックやパラリンピックが開催されます。
外国人の方が、地図記号を見てできるだけ理解しやすいように初めて作成されました。
また、観光立国を目指すという観点からも、外国人向けの配慮はとても重要な意味を持つと考えられました。
観光案内所などでは、訪日客に対してのパンフレットや地図がありますので、実際に反映されています。
外国人向け地図記号はどんなもの?
郵便局
日本では〒のマークがなじみ深いのですが、逓信省の「テ」を記号にしたものです。
外国人向けには、封書のマークを採用しました。
病院
日本では+をベースの形で囲ったものでおなじみですが、旧陸軍の衛生に関わる部隊の印を用いています。
外国人向けには、+のマークに病院の建造物だと分かりやすいようにピクトグラムで記号にしました。
ホテル
日本では、hotelの頭文字の「H」を〇で囲んだものですが、外国人には分かりづらいので、ベッドで人が寝ている姿を同じようにピクトグラムで記号にしました。
その他、コンビニ、レストラン、トイレ、ショッピングセンターなども新たに追加されています。
新しいところでは、平成29年7月に観光案内所も追加されました。
特別な施設ではなく、観光や仕事で訪日したときにもすぐにでも欲しい施設ばかりですね。
いずれの記号も、日本人が見ても分かりやすいものになっています。
(*国土地理院HPより)
寺院の「卍」の改正は見送りに
検討している段階では、寺院を意味する「卍」について、ナチス・ドイツを連想させるため不適切ではないかとされたために、三重の塔のマークへ改正案がありました。
しかし、「卍」にはナチス・ドイツ以前よりも以前から仏教的な意味合いをもっていることの理解を広めることが重要とされ、三重の塔にした場合には、三重の塔のないお寺も多数あるために誤解を招く恐れがあることから改正案は実現しませんでした。
まとめ
地図記号が外国人向けに作られましたが、その多くはピクトグラムを採用しています。
文字で説明すれば、日本語に精通していない外国人は多くの方が戸惑うでしょう。
しかし、ピクトグラムは文字の情報を視覚化したものですので、一目で分かりやすいメリットがあります。
2020年の東京オリンピックへ向けてこうした外国人向けの地図記号も、さらに定着して行くでしょう。