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世界地図図法(3種類)の特徴と覚え方【試験問題解説付】

世界地図 面積

普段私たちが目にしている世界地図、正確ではないと知っていましたか。実は案外知らない人も多いのかもしれません。ここでは、それぞれの地図の特徴を知り、正しい世界のとらえ方を教えます。世界の国々の位置、大きさを唯一正確に示す方法はないのでしょうか。それは地球儀です。世界の本当の姿を見たい場合は、地球儀を使うしかないのです。

 

しかし、地球儀をいつも持ち歩くことはなかなか大変です。ですから、球体の地球を無理やり平面の地図に落とし込むわけですが、当然ながらゆがみが生じます。ですから、何らかの情報を犠牲にしつつ、ある情報を正確に示すことが出来るよう、工夫して地図は作られているのです。ここでは代表的な世界地図の図法であるメルカトル図法、正距正方位図法、モルワイデ図法の特徴を紹介します。

 

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ロサンゼルスは東京から見て、どちらの方角にある?

 

我々が普段一番目にすることが多いのは、緯線と経線が垂直に交わり、地球全体が長方形になっている地図です。各地点の緯度が一目瞭然で、非常にわかりやすい地図で、メルカトル図法によって描かれています。しかし、この地図に慣れきってしまうと、大きな誤解を生む可能性もあります。例えば、東京から見て、アメリカのロサンゼルスはどの方角にあるか。多くの人は東と答えるかもしれません。

 

確かにこの地図を見ていると、東京からまっすぐ東に進むとロサンゼルスに着くような錯覚を覚えますが、実は間違っています。何故なら、このメルカトル図法は方角を正確に示す地図ではないからです。このように、各地図を特徴を抑えておかないと、大きなミスを犯すことになるのです。今や、飛行機に乗っていればどこにでも着いてしまう時代ですが、自動操縦などの無い時代、地図は極めて重要でした。それぞれの地図が作られた背景がわかれば、その特徴もおさえることが出来るでしょう。

 

「メルカトル図法」の特徴

 

まずは、最も皆さんに馴染みがあると思われるメルカトル図法から説明します。先ほど紹介した通り、緯線と経線が垂直に交わっている地図です。メルカトル図法は、二地点間を結ぶ直線と経線に対する角度(蛇角)が正確です。今となっては、どうしてそんなことを正確に記す必要があるのかと思われるかもしれませんが、メルカトル図法は、図や航海図としての役割があったからです。

 

つまり、方位磁針を見ながら、この蛇角の方向に進めば、確実に目的地に着けるというメリットがありました。ただ、この地図は地球儀を円筒状に投影して作られたものであるため、高緯度地域になればなるほど歪みが大きくなっています。たとえばグリーンランドの面積は実際の17倍にも引き延ばされています。当然、二地点間の距離も正確ではありません(最短ルートではありません)。しかし、GPSのない時代、多少遠回りをしたとしても、確実に目的地に着けることが最重要課題だったのです。

 

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「正距正方位図法」の特徴

その名の通り、距離と方位を正確に示す地図ですが、あくまでも地図上の中心点からの距離と方位が正確という点で注意が必要です。またこの地図は円形で記されます。主に航空図として活用されています。これは技術の発達で、目的地への到達よりも、最短経路が重要になってきたからです。特に燃料を大量に使う航空機の飛行距離は死活問題です。逆に中心から離れれば離れるほど、国の形、そして面積が大きく歪みます。

 

そのため、慣れていないとこの地図の読み取りはやや難しくなってきます。特に国の形がメルカトル図法で表示されているのとかなり変わるので注意が必要です。難関校になればなるほど、メルカトル図法と合わせて出題されることがあるため、ある程度正距正方位図法の地図を見て、慣れておく必要があります。ただ、社会の問題に主に出題されるのはこの2種類で、次に紹介するモルワイデ図法はほぼ出題されることはありません。

 

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モルワイデ図法の特徴

 

これまで紹介した2つの図法は、二地点間の位置関係や、方角、距離に重点を置いた地図でした。そこで、国の面積を正確に示すことを目指したのがモルワイデ図法です。楕円形のような地図で記されます。なお、赤道から離れるほど国の形は歪み、方位・角度・距離は正しく表せません。

 

では、この地図は何に活用されているのか。それは植物や動物などの分布図です。ですから、これは社会というよりも理科の生物の時間などに目にする機会が多い地図と言えるでしょう。ただし、3つの図法ということで、世界地理の教科書にも掲載されていることから、単語だけは覚えておきましょう。

 

世界地図の図法 覚え方

上で説明した3種類の図法。覚え方は特徴を整理する程度になります。

 

メルカトル図法 二地点間を結ぶ直線と経線に対する角度(蛇角)が正確な地図 航海図
正距方位図法 地図上の中心点からの距離と方位が正確な地図 分布図
モルワイデ図法 国の面積を正確に示すことを目指した地図 航空図

 

「世界地図の図法」確認問題に挑戦

世界地図の図法についてよく出題される問題を少し解いてみましょう。

 

問題1 次の会話は、中学生のA君と、サンフランシスコに住んでいるおじさんが、下の地図を見ながら話している会話である。これに関する問いに答えなさい。

 

A君 :この地図は、いつも見ている地図とずいぶん違うね。

 

おじさん :これは、この地図の中心にあたる東京からの距離と方位が正しくなるように描いた「正距方位図法」という地図なんだ。東京と世界のどこかの都市を直線で結ぶと、その都市と東京との距離や、その都市が東京からみてどの方角に位置しているかがわかるんだ。

 

A君 :ということは、おじさんの住んでいるナンフランシスコは、東京かからみて( ① )の方向にあるということだね。

 

おじさん :そのとおり。それでは、この地図の外側の円は何を示しているかわかるかな?

 

A君 :宇宙から見た地球の形、じゃなさそうだし……そうか、この地図の外側の円は( ② )を示しているんだ

 

——–

 

(1)会話中の( ① )にあてはまる方角は、下のア~エのうちどれか。

 

ア. 北東  イ. 北西  ウ. 南東  エ. 南西

 

 

 

(2)会話文中の( ② )にあてはまる説明は、下のア~エのうちどれか。

 

ア. 赤道     イ. 東京からみた地球の反対側
ウ. 本初子午線  エ. 東京と時差が最も大きい場所

 

 

解答をみる

 

解答1  (1)ア (2)

 

 

 

 

問題2 下の地図を見て、次の問いに答えなさい。

 

中学受験 世界地図の図法

地図Ⅰ

世界地図の図法 中学受験地理

地図Ⅱ

 

(1)地図Ⅰは中心(東京)からの距離と方位が正しい地図である。東京から見て真下にあり、東京から15000㎞以上離れている都市を地図中から選び、都市名を答えなさい。

 

 

 

(2)地図Ⅰ中の東京から見たシンガポールの方位を答えなさい。

 

 

 

(3)地図Ⅰ中のXにあたる大陸を、次のページの地図Ⅱ中のア~エから選び、記号で答えなさい。

 

 

 

(4)地図Ⅰ中のYは東京・ニューヨーク間の最短航路を示している。この航路を地図Ⅱ中に正しく
示したものを、A~Dから選び、記号で答えなさい。

 

 

解答をみる

 

 

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まとめ

いかがでしたか。メルカトル図法とモルワイデ図法の特徴をしっかり押さえれば、図法に関する問題は非常に簡単に解くことが出来ます。地図に苦手意識を持つ人も、この解説を読んですっきりしたのではないでしょうか。そうなれば、試験に出題される地図の問題も、もっと楽しく取り組めるはずです。地図は読んで、理解して、そして楽しむツールです。地球上の国々が本来はどこにあるのか、この機会に振り返ってみるのみ良いのではないでしょうか。

 

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