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【中学受験 歴史9】日本の歴史 – 中世(安土桃山時代)

中学受験 歴史 日本の歴史 中世 安土桃山時代

中学受験 歴史シリーズ。第9回目は『日本の歴史 – 中世(安土桃山時代)』です。

 

前回の講義『日本の歴史 – 中世(戦国時代)』では、戦国時代の分国支配、そして当時のヨーロッパの状況や、日本にもたらされたものについて見てきました。

 

すでに学習したように室町時代に起きた応仁の乱以降、日本の世の中は乱れ、各地に群雄が割拠し、独自の政治を行う戦国時代に突入しました。一方で、戦国大名はその戦乱の世を終わらせ「天下統一」を果たし、自らが日本の頂点に立とうとする野望を抱いていました。その中で、もう多くの人が知っているとは思いますが、織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康の3人が天下統一に向けて勝ち進みました。これら武将はどのような関係で、どのように戦を進めたのでしょうか。戦国時代の後半、織田信長による室町幕府の滅亡から天下統一までを安土桃山時代と呼びます。今回はこの天下統一までを学習します。

 

それでは確認していきましょう。

 

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前回までの学習内容【おさらい】

本題に入る前に、前回までに学習したことをおさらいしましょう。歴史の学習は連続性が重要です。歴史の分野では毎回、復習問題をまず解いてから始めましょう。

 

 

問題1 イタリア人で、大西洋を西に進めばアジアに到達すると考え、実際にはアメリカに到達したのは【  】である。

 

問題2 ポルトガル人でアフリカに南を回って、インドに着いたのは【  】である。

 

問題3 世界一周を目指し、スペインの艦隊を率いて出発したが、フィリピンで原住民に殺害されたのは【  】である。

 

問題4 宗教改革の結果、それまでのカトリックと異なる【  】と言うキリスト教の新たな宗派が生まれた。

 

問題5 1543年、ポルトガル人が種子島に漂着し、【  】を伝えた。

 

問題6 1549年、日本に初めてキリスト教を伝えたスペイン人宣教師は【  】である。

 

問題7 ポルトガルやスペインの貿易船が九州の港に来航するようになり【  】が行われた。

 

問題8 身分の低いものが実力で上の者を倒す風潮を【  】と呼ぶ。

 

問題9 戦国大名は【  】を制定して、自らの領地を独自に支配した。

 

問題10 甲斐国の戦国大名、【  】は、釜無川に堤防を建設し、治水に努めた。

 

問題11 1543年、ポルトガル人によって鉄砲が【  】にもたらされた。

 

問題12 1549年、スペイン人宣教師の【  】が鹿児島に上陸した。

 

 

解答をみる

 

解答  問1. コロンブス 問2. パスコ・ダ・ガマ 問3. マゼラン 問4. プロテスタント 問5. 鉄砲 問6. フランシスコザビエル 問7. 南蛮貿易 問8. 下剋上 問9. 分国法 問10. 武田信玄 問11. 種子島 問12. フランシスコザビエル

 

 

織田信長の天下統一への道

織田信長

 

バラバラになってしまった日本を再び統一しようと動いたのが、尾張国(愛知県西部)の武将、織田信長です。従来の常識にとらわれない奇抜な発想で数々の戦いを勝ち抜き、天下統一への道筋を作りました。幼少期から奇天烈な行動が多く、周囲から「大うつけ」(大馬鹿者)と呼ばれていました。戦国武将の中で、鉄砲の使用を本格的に取り入れたのも織田信長です。しかし、城を陥落させるごとに、城内の者すべて、女、子どもを問わず皆殺しという、信長のやり方は日本人の価値観にそぐわず、結果的に天下統一を目前にして、家臣の明智光秀の裏切りにより、自害します。

 

本拠地

清洲城(愛知県):当初

清洲城(復元)

 

岐阜城(元斎藤氏の居城を改名):1566年~

この頃から、天下布武(武を以て天下を制すの意味)の朱印の使用開始。

 

岐阜城

 

安土城(新築):1576年~

琵琶湖のほとり。天守閣を持つ壮大なつくり。

 

安土城

 

経済・文化

  • 楽市・楽座の容認:自由な商業を認める。安土の商工業者に対して、市場の税を免除。座の特権を廃止して、自由な取引が可能になる。
  • 関所の撤廃:自由な往来を認める。商工業を活発にするため。
  • キリスト教の保護:仏教勢力が天下統一の妨げになると考えた。城下にセミナリヨ(小神学校)建設。
  • 桃山文化:新興大名や大商人の気風を反映した豪華、雄大、活気に満ちた文化。

 

桃山文化

  • :姫路城、松本城、彦根城など(天守閣を持つ、巨大な白)
  • ふすま絵、屏風絵:狩野永徳
  • 茶の湯・わび茶:千利休
  • かぶき踊り:出雲の阿国

 

姫路城

唐獅子図屏風(狩野永徳)

 

戦い

桶狭間の戦い(1560年)

織田軍3000人 VS 今川軍25000人

 

桶狭間の戦い

 

織田信長が尾張国当主になってから、最初の大きな戦い。この戦いの後、織田と徳川が同盟を結ぶ。(桶狭間の戦い当時、徳川家康は今川側にいた。

 

【作戦】清洲城での会議、篭城作戦からの奇襲へ。豪雨も影響?

 

【結果】今川義元(駿河国大名)を討ち取る。

 

上洛(1568年)

室町幕府15代将軍足利義昭(※)(後に対立)を奉じて京都へ(室町幕府再興の為)入る。

 

※足利義昭:室町幕府最後の将軍

 

比叡山焼き討ち(1571年)

天台宗総本山を焼き討ち、3000名が死亡。寺社仏閣全てを燃やす。北陸方面から京都に攻め入って来る浅井・朝倉連合軍に加担していた為。 ※第六天魔王の由来。

 

室町幕府の滅亡(1573年)

足利義昭を京都から追放。1573年から、江戸時代が始まる前の1603年を安土桃山時代と呼ぶ。

 

長篠の戦い(1575年)

武田勝頼 VS 織田・徳川連合軍

 

長篠の戦い

 

【内容】騎馬軍団 VS 鉄砲隊の闘い

 

最強とも呼ばれた武田家の騎馬隊を、鉄砲隊によって撃破し、織田・徳川連合軍の勝利となった。

 

※三段撃ち戦法:玉を込める時間がかかる鉄砲の弱点を克服。3000丁で3隊に分けて、順に発砲した。(足軽鉄砲隊)

 

本能寺の変(1582年)

明智光秀の謀反により織田信長は自害。

 

本能寺の変

 

豊臣秀吉の天下統一への道

豊臣秀吉

 

織田信長の死後、天下統一の意志を引き継いだのは、信長の家来であった豊臣秀吉です。元は農民で、足軽の身から数々の武功を挙げ、信長に重用されるようになります。そして、本能寺で織田信長を暗殺した明智光秀を山﨑の戦いで討ち取り、一気に天下人へ上り詰めます。

 

豊臣秀吉の出身

尾張国の農民出身。はげ頭でサルのあだ名。本能寺の変の後、毛利氏討伐の為に出征中だった備中(岡山)から引き返す。(中国大返し)

豊臣秀吉の戦い

山崎(天王山)の戦い(1582年)

淀川と天王山に挟まれた場所(京都と大阪の府境付近)で、京都と大阪を結ぶ要所。京都に戻る秀吉を明智光秀が迎え撃つ形になる。秀吉軍が勝利した。

 

 

意味について考えてみましょう。

 

問題 「夏は受験の天王山」とよく言われますが、それはどういう意味でしょうか?


ヒント この由来は山崎(天王山)の戦いから来ています。

 

解答をみる

 

解答  天王山は、京都の出入り口にあたり、戦略上の要所(戦いのせめぎ合いの場所)。つまり、夏は受験の天王山とは、受験を制すためには夏が戦いの要所、夏を制する者が受験を制すると言う意味。

 

 

 

小牧・長久手の戦い(1584年)

山﨑の戦いの後、秀吉派と反秀吉派による戦い。徳川家康が織田信雄(信長の次男)を助けて、秀吉陣営と戦ったが、秀吉陣営の勝利に終わる。

本拠地

大坂城(当時の表記は大阪ではなく「大坂」)。10年間織田軍と戦うが決着つかず、和平の後、炎上した石山本願寺(一向宗)の跡地に大坂城を築いた。

  • 地位:関白⇒太政大臣に就任1585年(天皇の力を利用) ※秀吉は幕府を開かなかった
  • 天下統一:1590年、北条氏(北条早雲)(小田原城)を滅ぼす

 

北条早雲

 

秀吉の事業

太閤検地(1582年)

全国統一のものさしで土地を調査。検地帳に面積と耕作者を記載した。

 

太閤検地

 

【理由】年貢を確実に取るため。農民に耕作権が与えられたが、土地から離れられなくなった。

 

【結果】荘園が消える。寺と公家の力が衰退。

 

刀狩(1585年)

農民から武器を没収。

 

刀狩

 

【理由】一揆の防止、兵農分離の為。 ※名目は、武器の金属で、方広寺の大仏をつくる為。

 

朱印船貿易

朱印状という渡航許可証をもつ船(主に西国の大名や京都・堺・長崎などの商人)を東南アジアに出して行った貿易。豊臣秀吉の時代に始まり、江戸時代まで続き、徳川家康の時代に最盛期を迎えた。中国産の生糸や絹織物、鮫皮や鹿皮、砂糖などが輸入され、日本からは銀や硫黄、銅、刀などが輸出された。

 

バテレン追放令(1587年)

当初はキリスト教を黙認していたが、勢力の強まったキリスト教信者の反乱を恐れ、キリスト教宣教師を追放した。

 

朝鮮出兵

文禄の役(1592年)

【目的】明の征服と朝鮮の服従。

 

日本軍はソウルを占領したが、補給が絶たれ、退却。

 

慶長の役(1598年)

秀吉の死により、退却。

 

朝鮮出兵

 

徳川家康の天下統一

徳川家康

 

天下統一は豊臣秀吉によって達成されたものの、その死によって再び日本は二つの勢力に分かれての戦いが発生します。この戦いを治め、幕府を開き、250年以上にも及ぶ徳川将軍を中心とした安定の世の中を開いたのが徳川家康です。ところで、徳川家康の名前は、既に何度か出てきています。織田信長、豊臣秀吉と同盟、対立しながらも、天下統一事業を見守ってきました。家康の天下統一を揶揄して「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 すわりしままに食うは徳川」と謳われますが、秀吉の死後、その意思を引き継ぎ、ようやく行動に移すときがやってきました。徳川家康は2023年の大河ドラマの題材にもなっており、入試で扱われる可能性も高くなっています。是非、ドラマも視聴してみてください。

 

徳川家康の出身

三河国の出身。幼少期は今川氏の人質、桶狭間の戦いの後、織田氏の家臣となる。以降、三河、遠江、駿河を領国とする。

 

秀吉の死後

秀吉が関東一帯を支配していた北条氏を滅ぼすと、徳川家康は関東地方(江戸)に領国を移される。秀吉は遺言で、三男、豊臣秀頼の後見人に徳川家康を指名する。

 

五大老と五奉行の対立(有力五大名と実務を担う5人の政治家)

五大老と五奉行の対立

 

関ヶ原の戦い(1600年)

関ヶ原の戦い

 

天下分け目の戦い。東軍が小早川秀秋の裏切りにより、西軍を破る。徳川陣営の勝利。1603年、徳川家康が征夷大将軍に任命される。安土桃山時代の終焉、江戸時代の始まり。

 

 

歴史の学習

中学受験の多くを占める歴史は、年表や人物名など暗記部分が大量になります。年代ごとにまとめたり、人物にフォーカスして時代背景を学んだり、文化財や地理的要素から歴史を探るという方法もあります。膨大な知識が必要となる歴史ですが、興味のある角度から切り取っていくと案外スッと覚えることができます。

 

No. テーマ 内容
1 中学受験 歴史 日本の歴史 旧石器時代 縄文時代旧石器時代・縄文時代
旧石器時代、縄文時代の暮らしや文化を解説。
2 中学受験 歴史 日本の歴史 古代 弥生時代弥生時代
古代、弥生時代の暮らしや文化を解説。
3 中学受験 歴史 日本の歴史 古代 古墳時代 飛鳥時代古墳時代・飛鳥時代1
古代、古墳時代、飛鳥時代、氏姓制度、古墳時代の終焉から
聖徳太子の時代、飛鳥時代の始まりを解説。
4 中学受験 歴史 日本の歴史 古代 飛鳥時代 奈良時代飛鳥時代2・奈良時代1
古代、飛鳥時代、奈良時代、大化の改新、平城京、
聖武天皇と仏法などを解説。
5 中学受験 歴史 日本の歴史 古代 奈良時代 平安時代 平安時代奈良時代2・平安時代1・平安時代2
古代、奈良時代、平安時代、藤原氏の摂関政治、
浄土真宗、武士の台頭、源氏の進出を解説。
6 中学受験 歴史 日本の歴史 中世 平安時代 鎌倉時代平安時代3・鎌倉時代
中世、平安時代、鎌倉時代、平氏、封建制度、
執権政治、承久の乱暮を解説。
7 中学受験 歴史 日本の歴史 中世 室町時代室町時代
中世、室町時代、南北朝の動乱、
東アジアの情勢、経済、産業を解説。
8 中学受験 歴史 日本の歴史 中世 戦国時代戦国時代
中世、戦国時代、都市の発展、ヨーロッパの
状況や文化を解説。
9 中学受験 歴史 日本の歴史 中世 安土桃山時代安土桃山時代
中世、安土桃山時代、織田信長、豊臣秀吉、
徳川家康の天下統一を解説。
10 中学受験 歴史 日本の歴史 近世 江戸時代江戸時代1
近世、江戸幕府の成立、外交、鎖国、
徳川綱吉の時代を解説。
11 中学受験 歴史 日本の歴史 近世 江戸時代江戸時代2
近世、江戸時代、産業の発展と文化、
三大改革を解説。
12 中学受験 歴史 日本の歴史 近世 江戸時代江戸時代3
近世、江戸時代、ヨーロッパ諸国の市民革命、
産業革命を解説。
13 中学受験 歴史 日本の歴史 近世 江戸時代江戸時代4
近世、江戸時代、ペリー来航、大政奉還、
江戸幕府滅亡を解説。
14 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 明治時代明治時代1
近世、明治時代、明治維新、富国強兵、
文明開花を解説。
15 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 明治時代明治時代2
近世、明治時代、西南戦争、大日本帝国憲法の制定、
立憲国家を解説。
16 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 明治時代明治時代3
近世、明治時代、日清・日露戦争、産業革命、
日本の領土を解説。
17 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 大正時代大正時代
近代、大正時代、第一次世界大戦、
大正デモクラシーを解説。
18 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 昭和時代昭和時代1
近代、昭和時代、、関東大震災、満州事変、
日中戦争、世界恐慌を解説。
19 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 昭和時代昭和時代2
近代、昭和時代、領土、民主化政策、
第二次世界大戦を解説。
20 中学受験 歴史 日本の歴史 近代 昭和時代昭和時代3
近代、昭和時代、高度経済成長、第一次石油危機、
戦後の国際関係を解説。
21 中学受験 歴史 日本の歴史 現代 平成平成1
現代、平成、バブル崩壊、冷戦、
文化、経済を解説。
22 中学受験 歴史 日本の歴史 現代 平成 令和平成2・令和 現代、平成、令和の経済、政権交代、東日本大震災など
日本を取り巻く環境を解説。

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